■ヘルメットの法規・半ヘルで大型バイクに乗れるか?

かぶりやすさや涼しさの観点では、半ヘルが便利ですね。しかし半ヘルには”125cc未満”というシールが貼ってある。それ(スクーターなど)用なのか? 単車でかぶっては切符を切られるのか?

半ヘル

●ヘルメットの法律

道路交通法ではあくまで第71条4項で原付・自動二輪車を運転する際は総理府令の定義に準ずる乗車用ヘルメットを使用せよと書かれています。

総理府令の乗車用ヘルメットの定義

1.左右、上下の視野が十分とれること
2.風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること
3.著しく聴力を損ねない構造であること
4.衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること
5.衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること
6.重量が2kg以下であること
7.人体を傷つけるおそれがある構造でないこと

バイク区分や規格の指定は無い

法律には一言も〇〇cc超のバイクは△△タイプのヘルメットを使用せよとも、××規格を取得しなくてはならないとも書かれてはいない。

定量的な基準は無い

乗車用ヘルメットの定義には規格の有無どころか、具体的な数値が重量2kg以下しか記載されていないため、殆どザル法に近い。

従って・・・半ヘルで大型バイクに乗っても、そのヘルメットに明らかな不備が無い限り法律上は違反にならない。

 

 

●ヘルメットの規格・注意書き等の表示理由

では何故、規格が存在したり、”125cc未満”用の表示がされるのでしょうか?そして各規格の中身を見て見ましょう。

125cc未満表示

●SGマーク

SGマークSGマークとはSafety Goodsの略で、(財)製品安全協会という団体が認定する製品に表示されるマークです。

このマークが表示された製品に起因する事故で損害が生じた場合は、保険金が支払われます。(最高1億円)

SGマークは強制ではありませんが、国内で販売する上で安全性をアピールする必要から、国産ヘルメットのほぼ全てにSGマークが付いています。

逆に言うと、輸入ヘルメットの中にはSGマークが付いていないものもあります。

SGマークには125cc以下での使用が推奨されるものと、排気量無制限で使えるものの2タイプあります。

これは125cc以下と排気量無制限では評価規格の項目に差があるためで、当然、排気量無制限で使えるヘルメットのほうが厳しい基準をクリアしています。


●PSCマーク

PSCマークPSCマークは、消費生活用製品安全法によって、消費生活用製品のうち、一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品に付けられるマークである。

一般消費者が購入する際に安全性を確認できるよう、メーカーや輸入業者ら、事業者に対して、表示して販売することを義務付けたものであり、所定の安全基準に適合したものについて表示し、表示がない商品は、販売ないし販売の目的での陳列も禁止される。PSCのPはProduct(製品)、SはSafety(安全)、CはConsumer(消費者)を表す。

これらの製品は「特別特定製品(菱形マーク)」および「特別特定製品以外の特定製品(丸マーク)」と言われ、それぞれ種類に従い登録または認定された検査機関が検査したものであり、検査機関も都道府県が行う立入検査を受ける。

特別特定製品(菱形マーク)

乳児用ベッド
携帯用レーザー応用装置(レーザーポインター)
浴槽用温水循環器(ジェット噴流バス等)
ライター

特別特定製品以外の特定製品(丸マーク)

家庭用の圧力なべ・圧力がま
乗車用ヘルメット
登山用ロープ
石油給湯機
石油ふろがま
石油ストーブ
家庭用空気圧縮機
家庭用の蒸気圧利用器具
家庭用高圧洗浄機


●JISマーク

JISマーク日本工業規格(にほんこうぎょうきかく、英語: Japanese Industrial Standardsは、工業標準化法に基づき、日本工業標準調査会の答申を受けて、主務大臣が制定する工業標準であり、日本の国家標準の一つである。

JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されている。JISのSは英語 Standards の頭文字であって規格を意味するので、「JIS規格」という表現は冗長であり、これを誤りとする人もある(RAS症候群)。ただし、この表現は、日本工業標準調査会、日本規格協会およびNHKのサイトでも一部用いられている。


●SNEL規格

SNEL規格ヘルメットの安全性の目安として世界各国で製品規格が定められており、スネル規格もその一つ。

同規格は自動車レース中にヘルメットが十分機能しなかったために亡くなったピート・スネル氏の友人によって設立されたスネル財団のもの。

このスネル規格は世界的に見ても非常に厳しい安全性のテストを行なっており、規格自体を5年ごとに見直し、バイクの性能に見合う基準を設定しているのが特徴だ。現在、レース用のヘルメット規格だけではなく、公道用のヘルメットの安全性もテストしている。

 

Update 2019/02/24  Create 2019/02/24

 

 

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